アメフト中継の見方の一例(パスプレー)

アメフト中継の見方の一例(パスプレー)

私が普段やってるNFLの試合の見方を皆さんにご紹介しようと思います。もしかしたらすでにやっている、参考にならないかもしれませんが、参考になれば幸いです。
パスプレーの見方についてになります。

 

下のような流れでだいたい毎プレー見ています。

<ステップ1>
パスカバーを予想する
<ステップ2>
・マッチアップ、パスカバーのウィークポイントをイメージする
<ステップ3>
・2でイメージしていたウィークポイントをQBが付けているか確認

だいたいこの流れです。良いQBほどウィークポイントを確実につき、悪いQBほどなぜそこに投げる?というところに何度も投げます。

 

それではここから各項目のやり方を細かく見ていきます。最後に具体例で説明します。

<ステップ1>パスカバーを予想する

まずスナップ前にパスカバーを予想するのですが、現在NFLで用いられているパスカバーは下のように数多くあります。

Cover0、1、2、3、4、6、他にもマンとゾーンを組み合わせたもの、特定のレシーバーをダブルカバー。などなど他にもたくさん。

しかし、実際の試合で使われているのは、下の4パターンがほとんどです。

Cover1 Cover2 Cover2 Man Cover3

この4つの中からどのパスカバーかを判断するのは、慣れればそう難しくありません。
ここからはそのパスカバーの予想の仕方を順に説明していきます。

<ステップ1.1>最後尾のSの枚数を確認する

スナップ前にまずすることは最後尾のSの数を数えることです。数えることで先ほどの4パターンからさらに絞れます。

最後尾のSが1人(シングルハイ、ワンハイなどと呼ばれます)→Cover1、Cover3
最後尾のSが2人(ツーハイ)→Cover2、Cover2 Man

となります(ディスガイズされていてスナップ直前、直後に最後尾のSの枚数が変わることがあるので注意。ただ、ディスガイズはそこまで多くありません。あるとすれば2枚から1枚になるパターンが多いです。)。

ちなみにここで、最後尾のSなんて中継では見えないぞ!と思った方いると思います。そうです、ほとんどのプレーで見えません(笑)なので、見えている人数を数えます。すると必然的に最後尾のSの数が分かります(外CB2人、スロット1人、ボックスに7人だけ見えているとすると、最後尾のSはもちろん1人。たまに10人しかいないこともありますが(笑))。

こんな感じで最後尾のSの枚数を数えて、シングルハイかツーハイかを確認します。

<ステップ1.2>スロットレシーバーにどの守備ポジションの選手がマッチアップしているか、外CBのクッションの深さを確認

1.1.まででシングルハイ(Cover1もしくはCover3)かツーハイ(Cover2もしくはCover2 Man)か分かっているので、あとはマンかゾーンが分かればパスカバーが分かります。このステップではそのマンかゾーンかを見分けます。

スロットレシーバーに普段外CBをやっている選手がついている→マンカバー
スロットレシーバーにLBがついている→ゾーンカバー

シングルハイで外CBのクッションが深い→ゾーン(Cover3)

↑はCover3の外CBはディープの1/3をカバーするので、スナップ後に下がっているのでは間に合いません。そのため、Cover3なら外CBがあらかじめクッションを取ります(外CBがほぼマンカバーに近い動きをするSEA式のCover3では、これは当てはまらないので注意が必要ですが、やっているチームはそこまで多くないので気にしなくて大丈夫です。)。

ここまででマンかゾーンを判断するのですが、これだけで完璧に判断できるわけではありません。むしろ分からないことが多いです。そのため、次のステップで最終確認をします。ちなみにここまでがスナップ前です。

<ステップ1.3>スナップ直後DB、LBの動きを見る

ここではスナップ直後にマンかゾーンかの最終確認をします。スナップ直後の最初のDB、LBの動きで見分けます。
また、このステップで最後尾のSの枚数も最終確認します(ディスガイズがないか)。

この一連の流れで下のように守備のパスカバーが分かります。

シングルハイかつマンカバー→Cover1
シングルハイかつゾーンカバー→Cover3
ツーハイかつマンカバー→Cover2 Man
ツーハイかつゾーンカバー→Cover2

 

<ステップ2>マッチアップ、パスカバーのウィークポイントをイメージする

ここでは文字通り守備のウィークポイントを予想します。ウィークポイントはカバーによっていろいろありここで書ききれませんが、例えば、

Cover1なら→WRとSもしくはLBのマッチアップ。WRとCBでもサイズの差、スピードの差。クロスするパスコール。などなど。
Cover2なら→ディープの2枚のSの間。Sとサイドラインの間。ロングパス。などなど。
Cover2 Manなら→アンダーニース。
Cover3なら→ディープをカバーするCBの前。LBとFSの間。などなど。

この辺りはパスカバーについて説明しているサイトにも書いてあることなので、さらっといきます。

 

<ステップ3>2でイメージしていたウィークポイントをQBが付けているか確認

ここもそのままですね。

 

具体例

最後に具体例で説明して終わります。クイズ形式でいきます。

このプレイのパスカバーはなんでしょう?

 

 

 

正解は…

Cover1です。まず、画面には10人映っていて1人いないので最後尾のSは1人で、Cover1,3のどちらかに絞れます。あとはマンかゾーンかを見分けるのですが、右CBのクッションが小さい、各CBが対面のレシーバーを凝視している(QBを見ていない)ことから、マンすなわちCover1だと分かります。Cover1は分かりやすいです。

 

このプレイのパスカバーはなんでしょう?

 

 

 

正解は…

Cover3です。まず、画面には10人映っていて1人いないので最後尾のSは1人で、Cover1,3のどちらかに絞れます。あとはマンかゾーンかを見分けるのですが、両CBのクッションが大きい、左CBが半身になってQBを見ていることから、ゾーンすなわちCover3だと分かります(CBが半身になっているときはほぼゾーンです)。

 

このプレイのパスカバーはなんでしょう?

 

 

 

正解は…

Cover2です。画面には11人映っていて最後尾のSは2人なので、Cover2,Cover 2 Manのどちらかに絞れます。あとはマンかゾーンかを見分けるのですが、右スロットレシーバーの対面にディフェンスの選手がいない、外CBがやや半身であることから、ゾーンすなわちCover2だと分かります(この体型はマンであることもあるので、プレー直後に最終確認が必要です)。

 

最終問題です。このプレイのパスカバーはなんでしょう?

 

 

 

正解は…

これはひっかけ問題ですね。まず、画面には10人映っていて1人いないので最後尾のSは1人で、Cover1,3のどちらかに絞れます。あとはマンかゾーンかを見分けるのですが、両CBのクッションが小さいことから、マンすなわちCover1だと分かります。
となるのですが、実はディスガイズされていて、スナップ直後の下の画像を見ると映っていた方のSがディープに急いで下がっています。そのため、これは最後尾のSが2人でかつマンなので正解はCover 2 Manです。

 

実際の試合の映像からパスカバーの判断の仕方を見ていきました。実際は様々なパターンがあり、分かりやすいときもあれば分からない時もあります。しかし、守備がどんなパスカバーを敷いているか分かると試合の見方が大きく変わると思うので、やっていなかった方はぜひやってみてください。QBの良し悪しがさらにわかると思います。
例えば、51点取りながら負けてしまったKCのQBマホムズなんかは、マンだと分かるとオーディブルでクロス系のパスパターン入れてきたりしてさすがだなと思ったりします。

 

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