フラッグフットボールのアジア・オセアニア大陸選手権決勝(IFAF Asia-Oceania Flag Football champions)についての記事です。
日本は惜しくも準決勝でニュージーランドに33-40で敗北してしまい、タイとニュージーランドの決勝となりました。結果はタイ31-ニュージーランド25でタイの優勝という結果になりました。
ここでは、試合内容ではなくそれぞれのチームのディフェンスについて詳しく解説していきます。個々の選手についてはあまり触れず、チームのディフェンスについて書いていきます。
タイのディフェンス
・プレスナップ体型
まず、プレスナップの時点の体型ですが①ワンハイルック②全員横並びの2パターンがありました。割合としては、①ワンハイルックが52%、②全員横並びが48%でした。
①ワンハイルック
ワンハイルックの体型からは下のパスカバーを敷いていました。
上表から分かるように、2 under 2 deepのゾーンカバーを中心としています。2 under 2 deepのゾーンカバーは様々なパターンがありますが、タイはほとんど1パターンで所謂ストロングローテーション(ストロングCBとLBがunderで、SとウィークCBがdeep)を多用していました。
ストロングローテーションの2-2の弱点の1つとして、ウィークCBがdeepに下がるためその前のゾーンが空きやすくなります。ただ、タイはそのゾーンへのパスを突かれないようにするためにラッシャーを中央ではなくウィーク寄りに配置していました。それにより、ウィークのunderゾーンをケアしています。
他のカバーもありましたが、ほとんどストロングローテーションの2-2カバーが主なので狙いやすいと思います。
②全員横並び
全員横並びの体型からは下のパスカバーを敷いていました。
全て、2 under 2 deepのゾーンカバーでした。こちらは、先ほどのストロングローテーションではなく、両CBがdeepに下がるインバートでした。もしかしたら細かいルールの違いなどあるかもしれませんが、毎回両CBが下がるパターンの1パターンでした。
タイのディフェンスのまとめ
タイは2-2ゾーンカバーがほとんどでです。さらに、プレスナップの体型からどんな2-2がほとんど予想できます(ワンハイルックからはストロングローテーションで、全員横並びの体型からはインバート)。ディスガイズは全くありません。
2 under 2 deepのゾーンカバーがメインなのでかなり狙いやすいと思います。さらに細かく狙うのであれば、ハドルでストロングローテーション用とインバート用のコールを2つ入れて、タイの体型を見てからオーディブルで決めるというのもありだと思います。
ニュージーランドのディフェンス
・プレスナップ体型
まず、プレスナップの時点の体型ですが①ワンハイルック②全員横並びの2パターンがありました。割合としては、①ワンハイルックが9%、②全員横並びが91%でした。
①ワンハイルック
こちらはほとんど使っていなかったのであまりあてにならないですが、下表のとおりです。
②全員横並び
こちらが主で下のパスカバーを敷いていました。
2 under 2 zoneの2-2ゾーンカバーが主ですが、いくつかのパターンを使い分けており、最も多かったのはインバートの2-2です。また、ストロングローテーションの2-2も多かったです。
また、ラッシャーはタイとは異なり、ニュージーランドはストロングサイドに配置していました。それもサイドラインぎりぎりと極端に寄せている場面が多く見られました。
また、プレスナップでは横並びの体型からスナップ直前にdeep担当の選手がバックペダルで下がっており、ハードカウントである程度パスカバーが読めるのではないかと思います。
ニュージーランドのディフェンスのまとめ
ニュージーランドも2-2ゾーンが主です。その内、インバートが最も多く次点がストロングローテーションになります。こちらも2-2ゾーンの穴を狙いやすいと思います。
どの選手がどのゾーンを守るかはプレイが始まるまで分からないのですが、プレーが始まるとdeep担当の選手はバックペダルで深さを取る必要があるのでこれを逆手に取れます。例えば、ハードカウントをしてディフェンスがそれに引っかかってくれれば、どの選手が下がるのか分かるのでそこでオーディブルも面白いと思います。
いずれにせよ、ニュージーランドもタイと同じくディスガイズはほぼないのでカバーの穴を狙ったコールをどんどん出すべきだと思います。そしてQBもそこを狙うべきだと思います。