本日はNFL全32チームのディフェンスの傾向を簡単に分析、まとめた記事になります。
今回は、各チームのパスカバーの傾向についてまとめました。
データはこの方のツイートを参考にしました。
ここから、各チームのマン、ゾーンカバーの割合とシングルハイ、ツーハイの割合をグラフにしました。
(ちなみに、シングルハイとは、Cover1やCover3のような最後尾中央にSが1人だけいるパスカバーです。ツーハイとは、Cover2やCover4、Cover2 Manのような最後尾にSが2人いるパスカバーです。)
ここからその傾向をまとめたグラフを示していきます。
- 1. パスカバーの傾向を表したグラフ
- 2. 各チームの分類
- 2.1. 平均的なチーム(BAL、BUF、CHI、CLE、JAX、LAR、MIA、NO、NYG、NYJ、TENの11チーム)
- 2.2. シングルハイ メインのチーム(ATL、SF、PHI、WASの4チーム)
- 2.3. ゾーンカバー、シングルハイ メインのチーム(LAC、SEAの2チーム)
- 2.4. マンカバー、シングルハイメイン のチーム(DENの1チーム)
- 2.5. ゾーンカバー メインのチーム(ARI、CAL、DAL、TBの4チーム)
- 2.6. マンカバー メインのチーム(DET、GB、KC、NE、PITの5チーム)
- 2.7. ゾーンカバー、ツーハイ メインのチーム(INDの1チーム)
- 2.8. ツーハイ メインのチーム(CIN、HOU、MIN、OAKの4チーム)
- 3. まとめ
パスカバーの傾向を表したグラフ
全32チームを右の凡例に従いグラフ上でプロットしています。グラフの見方ですが、横軸がマンカバーの割合、縦軸がシングルハイ(ワンハイ)の割合を表しています。つまり、右に行くほどマンカバーが多く(左に行くほどゾーンカバーが多い)、上に行くほどシングルハイが多い(下に行くほどツーハイが多い)ことを表しています。
例えば、分かりやすいATLを見てください(真ん中上の四角い濃い赤色)。ATLは真ん中上にあるので、マンとゾーンの使用割合は平均的ですが、シングルハイが多いことが分かります。つまり、Cover1やCover3メインのパスカバーであることが分かります。
ここからそれぞれのチームを分類分けしていきます。
各チームの分類
このように8つのグループに分けます。
平均的なチーム(BAL、BUF、CHI、CLE、JAX、LAR、MIA、NO、NYG、NYJ、TENの11チーム)
真ん中の平均的なチームです。
相手オフェンスからすると、なかなか対策が取りづらいです。しかし、プレーしているディフェンスの選手は様々なことを求められるので負担は大きいです。
このディフェンスで成功するには、BUFの2人のS ハイド、ポイアーのような何でもできるSが必須となります。
今シーズン好調だったCHIは、ディスガイズも駆使しながら相手オフェンスに的を絞らせないパスカバーでした。
シングルハイ メインのチーム(ATL、SF、PHI、WASの4チーム)
このチームはCover3やCover1をメインに使います。
後述する2つの分類のチームもそうですが、シングルハイ メインのチームはプレリードの時点でパスカバーがばれやすいです。Sが1人、前にいて、もう一人が後ろにいるという縦関係になっていることが多いのでシングルハイはすぐばれます。また、外CBのクッションの深さを見ればCover3かCover1かも分かります。
この辺りのパスカバーの読み方については、以前書いたこちらの記事をご覧ください。
また、これから説明していくシングルハイ メインのチームには、ボックスで活躍できるSSか最後尾で広大な守備範囲を持ったFSがいることが多いです。
PHIのSSマルコム・ジェンキンスなど。
ゾーンカバー、シングルハイ メインのチーム(LAC、SEAの2チーム)
このチームはCover3をメインに使います。
SEAは、FS アール・トーマス、SS キャム・チャンセラーの縦関係のSコンビで1時代を築いたCover3があまりに有名ですね。
LACもチャンセラーと似たタイプのルーキーSS ダーウィン・ジェームズがCover3という最も合うスキームで大活躍しました。
マンカバー、シングルハイメイン のチーム(DENの1チーム)
このチームはCover1をメインに使います。
CBに最も負担のかかる(能力が必要な)パスカバーなので、CBの能力がもろにパスディフェンスに影響します。
ゾーンカバー メインのチーム(ARI、CAL、DAL、TBの4チーム)
このチームはCover3やCover2、Cover4といったゾーンカバーをメインに使います。
CALやDALは伝統的にゾーンカバーが多いチームです。
マンカバー メインのチーム(DET、GB、KC、NE、PITの5チーム)
このチームはCover1やCover2 Manといったマンカバーをメインに使います。
NEは、SBでも3rd downで多用したこのマンカバーが効果的でした。
ゾーンカバー、ツーハイ メインのチーム(INDの1チーム)
このチームはCover2やCover4をメインに使います。
INDは極端に多いですね。ただ、たびたびTwitterでも言っているように、FS マリック・フッカーというエド・リード、アール・トーマスにも例えられるようなシングルハイFSがいるのに…。しかし、Cover2は最もDBの能力差が影響しないパスカバーであり、DBに選手が揃ってないチームだとその弱点を隠すことができます。
ツーハイ メインのチーム(CIN、HOU、MIN、OAKの4チーム)
このチームはCover2やCover4、Cover2 Manをメインに使います。
まとめ
こういったそれぞれのチームのパスカバーの特徴を知ることで、そのチームと対戦するときにこのパスカバーの弱点はここだからそこを自チームがどうやって攻略するのか、自分ならどうゆうオフェンスの組立てをするか等考えながら試合を見れるので、より観戦が楽しくなると思います。なので、ぜひそれぞれのチームの特徴を頭に入れてみてください。
DCやHCが変わればこのパスカバーの特徴ももちろん変わります。しかし、それぞれのDCには得意な、好きなパスカバーがあるので、新チームにいってもその特徴は引き継がれることが多いです。
(例えば、DCが変わったARIですと、2018年はゾーンメインのスキームでしたが、2019年はDCが元DENの人に代わったのでDENのCover1メインのスキームになることが予想されています。)