パスカバーの分類についての記事になります。
パスカバーは大きく、Man cover(マンカバー)・Zone cover(ゾーンカバー)がありますが、他にもMatch cover(マッチカバー)と呼ばれる、Man match cover(マンマッチカバー)、Zone match cover(ゾーンマッチカバー)があります。
そのため、それらのパスカバーのメリット・デメリットの比較、違い等について書いていきます。
各種パスカバーの比較
まず、各パスカバーについてまとめます。
パスカバーは、Cover 0、Cover 1、Cover 2、Cover 2 Man(Cover 5)、Cover 3、Cover 3 Pattern Matching、Cover 4、Cover 6、Cover 7、Cover 8、Cover 9、Cover 9 Pattern Matchingがあるので、それらを4つのカバーに分類します。
Zone match coverの特徴
まず、pureなzone coverの大きなデメリットとして挙げられるのが、カバーがルーズになることです。Zone coverでは、ディフェンスは基本的にQBに視線を向けており、またゾーンを基準にカバーしているのでレシーバーに対してタイトにカバーすることは少ないです。そのため、QBに完璧な位置にボールを落とされると、それをパスカットするのはかなり厳しいです。
そのため、Zone cover主体で行くならQBのパスを乱せる強力DL陣がいるか、QBが投げてからの対応にならない先読みできるCBが必要です(まさに2022年のPHI)。
そんなZone coverのデメリットをカバーしながらZone coverの特徴を持ったカバーがZone match coverです。
Zone matchでは、初動はZone coverと同じように指定のゾーンに下がりますが、そこから自分の担当ゾーンに入ってきたレシーバーをM/Mします。そのため、Zone coverのデメリット(カバーがルーズ)を解消しています。一方でzone matchは複雑です。
(Pure) Zone coverとZone Matchの違い
Zone coverは基本的にQBを見続けています。対して、Zone match coverは、最初はzone coverと同じようにQBを見ていますが、そこからM/Mになるので途中から視線はレシーバーを見ていることが多いです。
その点が大きな違いです。
Man match coverの特徴
まず、Man coverの大きなデメリット(難しい点)は、CBは全方向のルートを当然ながらカバーしなければならない点です。そのため、man coverでは、レシーバーのブレイクに後追いで対応できる高い身体能力がCBに必要となります。
そんなMan coverのデメリットを解消したのがMan match coverです。下画像は有名なMatch coverの1つのModと呼ばれるものです。
Photo by: http://brophyfootball.blogspot.com/2010/10/nick-saban-split-safety-coverage-cover-7.html
通常のman coverでは、Cは#1に対して、Wは#2に対して全ルートをカバーをしなければなりませんが、Modではざっくり次のようなルールがあります。
・Cは#1の縦をカバー(来なかったらdeep 1/4カバー)
・Wはflatのレシーバーをカバー
そのため、Cは#1に対してロング系のルートに意識を向けれます(ショート系は気にしなくても他の選手(ここではW)がカバーしてくれる)。また、Wは#2に対してout系のルートに意識を向けれます(それ以外は他の選手(ここではC)がカバーしてくれる)。
このように、全ルートをカバーする必要のないman coverがman matchです。そのため、ディフェンスは捨ててもいいコースがあるので、初めから有利な位置関係でM/Mできます。例えば、上画像のCはショートパスは捨てれるので初めからレシーバーとクッションを取れます。
一方で非常に複雑で、モーションなんかやられると余計コミュニケーションミスが生まれます。ドフリーのレシーバーを作ってしまったりします。
Man coverとMan match coverの違い
Man coverでは、ディフェンスはM/Mする目の前のレシーバーしか見ていませんが、Man match coverでは、特定のレシーバーのルートをキーにしているので、自分の目の前のレシーバー以外も見ています。この点が違いです。
Man matchとZone matchの違い
ほとんど同じですが、最初に指定ゾーンに下がるかどうかが異なります。指定ゾーンに下がるのがZone matchです。
ですが、観戦している側はman matchかzone matchかなんかはほとんど分かりません。
Cover 1のバリエーション・用語まとめ
Cover 2のバリエーション・用語まとめ
Cover 3のバリエーション・用語まとめ