WAS、DENで活躍したCB チャンプ・ベイリー(Champ Bailey)についての記事になります。
Photo by: https://www.denverbroncos.com/news/champ-bailey-headlines-modern-era-finalists-with-broncos-ties-for-pro-football-h
まず、なぜこの記事を書くことになったかですが、彼がHall of Famersに選ばれ彼に関するTwitterの様々なツイートが流れてくる中で、1つの度肝を抜かされたツイートを見たのがきっかけです。
Champ Bailey’s 2006 season:
— Buzz🐝™ (@ABuzz7) August 3, 2019
35 Targets
4 Catches Allowed
11 Pass Break Ups
10 Interceptions
One of the most dominant seasons by a Cornerback in NFL history. pic.twitter.com/jXf0zUkgGv
このツイートによると、彼のベストシーズンともいわれている2006年のスタッツは、
16試合出場で
・35 Targets
・4 Catches Allowed
・21 Passes defended
・10 Interceptions
というとんでもないことが書いてあります(ちなみにベイリーの英語のWikipediaにも4キャッチについては記載されています。)。DBオタクの私としては、この眉唾物のツイート(もちろん彼が偉大なCBということは百も承知です)が気になって気になってしょうがなかったので、実際に調べれる範囲でネットや動画でベイリーについて調べてみました。
その結果、この4キャッチというのは当時のMNFで紹介されたスタッツで、スタッツを調査しているスタッフのおそらくミスということが明らかになりました(ソースはこちら)。実際は40 Catches Allowedみたいです。(2018年CBの中でPFFのトップ評価だったNEのステファン・ギルモア(Stephon Gilmore)は32 Catches Allowedなので40 Catches Allowedは非常に良い値です。)このツイートの4 Catches Allowedは間違っていましたが、INTとPDについては正しくさらにベイリーはこのシーズンTDを許していないそうです。
と、ここまで前置きが長くなり先ほどのツイートについてはおそらく誤りということが分かりましたが、それでもチャンプ・ベイリーが偉大なCBであるということはもちろん事実なので、今回は彼の残したスタッツ、能力、この2つについて書いていきたいと思います。
Photo by: https://www.pinterest.jp/pin/572168327651077421/
Champ Baileyのスタッツ
通算のスタッツは、3.9 INT / 16 Games、15.1 PD/ 16 Gamesです。衰え始めた晩年のスタッツを入れてもこの値なのは驚きです。
3年連続All-Proに選ばれた彼の全盛期ともいえる2004年から2006年の平均のスタッツで見ると、7.3 INT / 16 Games、19.5 PD/ 16 Gamesとボールホークであることがよく分かります。。
また、12回プロボウルに選出されており、これはCBでは最多となっています。
Champ Baileyの能力
次に、彼の能力、プレイスタイルについてです。
Strong Points
・QBの視線、レシーバーの動きを見て先読みできる
・相手の意図を読んで、自分のマークレシーバー・担当ゾーン外のレシーバーへのパスにも反応できる
・Off-coverageが上手い
・身体能力が高い
・ボールホーク
・ハンドテクニックでレシーバーを自由にさせない
彼の最大の魅力はQBの視線、意図を読めることです。CBというポジションは、基本的にレシーバーがブレイク、もしくはQBが投げるモーションに入ってから動くという後追いの不利なポジションです。しかし、ベイリーのようなQBの意図、視線を読めるプレーヤーは先に動けるので、その分ボールにからみやすくなる、ひいては自分のマークマン以外のボールでもからめるようになり必然的にINTが増えます。
また、身体能力が非常に高いです。コンバイン時の40Yard → 4.28s、10-yd split → 1.42s、20-yd split → 2.43s、20-ss → 3.74、3-cone → 6.43sはいずれもここ8年のドラフト1巡選手と比較してもトップもしくはトップレベルです。
そのため、彼のプレイスタイルは、QBとWRを同時に視界におさめれるOff-coverageで、レシーバーと離れたポジションからでも先読みと高い身体能力を活かしてパスカットするのが基本となっています。ダレル・リービス(Darrelle Revis)のようにPress man cover(レシーバーのみをガン見、常にレシーバーに張り付く)を基本とするタイプではありません。
彼は先読みの能力が優れていたからこそ身体能力が衰える30歳を超えてからもプロボウルに選出されることができました。(一方、リービスは身体能力を必要とするPress man coverを得意としていたので、身体能力が衰えてくる30代から一気に成績を落としました。)
MaddenのRating
彼の全盛期ともいえる2006年のMaddenの能力は次のようになっています。
例のChamp Baileyの化け物シーズン2006のMaddenのRating調べたけど、さらに化け物だった。
— まこともや(Tomoya Tanikawa) (@FitzNFL) August 12, 2019
Speed, Acceleration, Agilityが98で、なんとMan Coverageは99超えの"100"。Zone Coverageは99。てっきりMaddenのMaxは99と思っていた。
Baileyさん想像以上でした…笑#NFLjapan https://t.co/10hl7f2Gvr
ここには書きませんでしたがPressは98、Play recognitionは95、Catchingは81といずれも高く、Maddenで過去たくさんの選手の数値を見てきましたがCBでは最強と言っていいと思います。
まとめ
HOFにも選ばれた歴代でもトップクラスのCBチャンプ・ベイリーについての記事でした。まとめると、彼は、高い先読み能力、身体能力を持ったボールホークです。
より詳しいDENファン、ベイリーファンの方もいらっしゃる中でこの彼の解説のような記事をあげるのは悩みましたが、好きな選手なので書いてみました。何か補足、間違っていること等ありましたら遠慮なくお申し付けください。