今回は、良いFSとそうでないFSの見極め方についての記事になります。
今回こういった解説記事を書いている理由は、以前書いた解説系の記事(https://nfl-cardinals.com/post-765)が人気なので、読んでくださっている方もそれ系統の記事が良いのかなと思い書いてみました。
シングルハイFSを取り上げた理由としては、今NFLで最も使用されているパスカバーはCover1、3といったシングルハイであるからです。
また、現在シングルハイを真にこなせているSは数人しかいません(アール・トーマス、エディ・ジャクソンら5人いるかというレベルです)。ほとんどのFSはただ最後尾にいるだけでほぼボールに絡めず、ロングパスを取られてからようやくタックルする、最悪の場合はそこでも追いつけずそのままTDという場合がよくあります(シングルハイFSは非常に難しいポジションです。)。
Photo by: http://thesource.com/2019/03/15/earl-thomas-signs-a-four-year-deal-with-the-baltimore-ravens/
と、ここまではこの記事(優れたシングルハイFSの見分け方)を書く理由を書いたので、ここからようやく本題に入ります。
私が、優れたシングルハイFSとそうでないFSを見分けるときに意識しているポイントは3つあります。
1. QBが投球モーションに入るまでにどれだけポジション調整できているか(先読みできているか)
2. ボールが投げられた後、実際にボールに追いつけているか
3. ランプレイ時の上がりの速さ
それでは1つずつ書いていきます。
1. QBが投球モーションに入るまでにどれだけポジション調整できているか(先読みできているか)
これが最重要見分けポイントです。
これは、QBが投げるモーションに入る前(手からボールが離れる前)に、ボールが投げられるであろうポイントにそのFSがどれだけ移動できているかということです。いわゆる先読みができているかです。これは、QBの視線、体の向き、レシーバーのルートコンセプト等から先読みします。
というのも、シングルハイは少しだけ前述したように、非常に難しいポジションで最後尾のフィールドをほぼ端から端までカバーしなければならないので、QBが投げてからでは間に合わないことが多いです。なので投げ始める前に動けることが大事になってきます。
これはアール・トーマスのパスカットプレイの数秒前の画像で、QBが投げ始める前にはすでに走っています。ただ、あまりに早く動き始めると、QBに気付かれて逆サイドやられますw なので確信が持てるまではバックペダルで投げられるであろうサイドに寄せていくことが一般的です。上の画像の元の動画はこちらになります(https://youtu.be/FlBozHTIP74?t=117(1:57~))。
トーマスのプレイ見ていると彼は本当に動き始めるのが早いです。
まとめると、1つ目のポイントは、
QBが投球モーションに入るまでにどれだけ動き始めれているかです。
2. ボールが投げられた後、実際にボールに追いつけているか
これはそのままですね。投げられた後にボールに寄せる純粋なスピードです。
これは評価しにくいですが、フィールドのヤードが書かれた辺りまでのボールに追いつければ良いとも言われています。下の画像の矢印の範囲です。
Photo by: https://en.wikipedia.org/wiki/American_football_field
なので、私の目安としては、この範囲に投げられたボールに追いつけていれば3つのポイントのうち1つ目、2つ目のポイントは満たしていると判断しています。ただし、これは目安で、投げられたボールのスピード・深さなどによっても変わるのであくまで目安です。
まとめると、2つ目のポイントは、
ボールが投げられた後、実際にボールに追いつけるスピードがあるかです。
3. ランプレイ時の上がりの速さ
最後に3つ目です。ここまではパスプレー時の対応について書いてきましたが、3つ目のポイントはランプレー時の対応です。ただし、シングルハイFSの優先度としてはパスプレーの方が高いので、3つのポイントの重みとしては1 → 2 → 3と低くなっていきます。
3つ目のポイントも文字通りです。ランプレイの時に、どれだけ早く気付けてランナーの方へ最短距離で上がっていけているかです。
この動画(https://youtu.be/5tFiVPWPY9I?t=60)の1:00からの2プレーを見ていただきたいのですが、ご覧のようにRBにボールが渡された瞬間物凄いスピードでランナーに向かっていると思います。これがお手本ですね。
まとめると、3つ目のポイントは、
ランプレイ時にどれだけ速く最短距離で上がることができているかです。
まとめ
今NFLで最も使用されているパスカバーのシングルハイの中で、重要なポジションであるシングルハイFSの優れた選手とそうでない選手の見分けるポイント3つを紹介しました。
1. QBが投球モーションに入るまでにどれだけポジション調整できているか(先読みできているか)
2. ボールが投げられた後、実際にボールに追いつけているか
3. ランプレイ時の上がりの速さ
1つ目のポイントが最重要ポイントです。
最後にお手本動画と反面教師動画を載せておきます。
ATLのFS Damontae KazeeのINT。
去年リーグ1の7INTを記録したのは知ってたけど、PFFのCoverage Gradeが特筆するほど高くない(82.7)から注目してなかった。けどフィルム見返してみると良い選手。去年はシングルハイずっとやってて、数試合見た感じ読みがよさそう。今年は注目してみよっと。#NFLjapan https://t.co/gNYZkIWFK5— まこともや(DBアイランド) (@FitzNFL) May 25, 2019
これは完璧と言っていいINTです。QBマホムズの視線、体の向きを見て判断して動き始めが早いです。そこからのスピードも速くキャッチポイントもここしかないという素晴らしいプレーです。
Biggest difference between HaHa and Amos? Amos will come meet the back in the ally, not give up ground. This is frustrating to watch pic.twitter.com/h4DcJfG6Yt
— Ben Clubb (@OkieChzhead) May 23, 2019
これは反面教師動画です。RBにボールがわたっているのに上がるのが遅くオープンフィールドでの1対1に持ち込まれ抜かれかけています。
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また、CBの評価の仕方に関する記事は下記になります。