本日は、過去10年で最も良かったディフェンスについての記事です。
ただ最も良かったと言っても、異なる年のディフェンスを比べるのは難しいので、数字で評価したいと思います。なので今回は私が選ぶNo.1ディフェンスというより数字上のNo.1ディフェンスを紹介します。
ディフェンスを評価される際によく使われるPoints / GameとPoints / Driveで評価すると下記のようなランキングになります(私が見始めた2009年以降のチームを載せています)。ちなみに、当然ですがPoints / Gameはオフェンスが強いチームだと良い値が出やすくなります。オフェンスが強いとディフェンスの時間が短くなるので。対してPoints / Driveは1ドライブ当たりの失点数で、オフェンスの強さにそこまで左右されないので単純にディフェンスの良さを測れるかと思います。
Pts/Game | Pts/Drive | |
---|---|---|
2019 NE | 14.1 | 1.01 |
2011 PIT | 14.2 | 1.30 |
2011 SF | 14.3 | 1.18 |
2013 SEA | 14.4 | 1.17 |
2010 PIT | 14.5 | 1.22 |
2009 NYJ | 14.8 | 1.02 |
そのPoints / Driveでトップだったのが去年2019年のNEディフェンスです。(2位は2009年のNYJ。)
Photo by Maddie Meyer/Getty Images
どれぐらいすごいのか
それではそのNEディフェンスですが、実際どのくらい良かったのでしょう。2019年NEディフェンスの各指標の32チーム中の順位は次のようになっています。
許したPoints / Game:1位
許したPoints / Drive:1位
許したTotal Yards:1位
許した1st down数:1位
3rd down更新率:1位
4th down更新率:6位
レッドゾーン得点率:4位
許したPass Yards:2位
Pass成功率:1位
許したPass TD:1位
奪ったINT:1位
Passer Rating:1位
QBプレッシャー率:10位
許したRun Yards:6位
許したRun Yards / Attempt:16位
許したRun TD:1位
ミスタックル数:1位
対戦相手が比較的弱かったこともありますが、ほとんどのカテゴリで1位とずば抜けた成績です。特に、パスDについては文句なしです。
続いて、どんなディフェンスだったのか書いていきます。
NEディフェンス
ベースフォーメーション
ディフェンスのベースフォーメーションは4-2-5のニッケルです。そこから3rd downなどのパスシチュエーションになるとDBを1人増やします。主に次の選手が使われています。
<DL>
Kyle Van Noy(81%出場)
56Tkl 7TFL 6.5Sck 0INT 3PD
Lawrence Guy(52%出場)
61Tkl 5TFL 3Sck 1INT 1PD
Danny Shelton(49%出場)
61Tkl 2TFL 3Sck 0INT 0PD
John Simon(48%出場)
44Tkl 3TFL 4Sck 1INT 4PD
Adam Butler(47%出場)
26Tkl 8TFL 6Sck 0INT 5PD
Chase Winovich(29%出場)
26Tkl 4TFL 5.5ck 0INT 0PD
<LB>
Jamie Collins(81%出場)
81Tkl 10TFL 7Sck 3INT 7PD
Dont’a Hightower(72%出場)
71Tkl 8TFL 5.5Sck 0INT 4PD
<CB>
Stephon Gilmore(94%出場)
53Tkl 0TFL 0Sck 6INT 20PD
J.C. Jackson(68%出場)
36Tkl 0TFL 0Sck 5INT 10PD
Jonathan Jones(61%出場)
53Tkl 0TFL 0Sck 0INT 8PD
Jason McCourty(47%出場)
40Tkl 0TFL 0Sck INT 6PD
<S>
Devin McCourty(94%出場)
58Tkl 0TFL 0Sck 5INT 7PD
Duron Harmon(65%出場)
22Tkl 1TFL 0Sck 2INT 5PD
Patrick Chung(64%出場)
51Tkl 1TFL 0Sck 0INT 3PD
スキーム
Cover 1メインのディフェンスです。そして時々、Cover 0を使ったり、Cover 1に見せかけたCover 2 Manなどを使います。
パスラッシュはエースラッシャーはいないのでブリッツをよく使います。LBのコリンズとハイタワーの2人で12.5サックを稼いでいます。ブリッツの使用率は37.6%でリーグ6位です。
Sはマッコーティーとチャンの2人の時は、マッコーティーがシングルハイでチャンがボックスです。パスシチュエーションでハーモンを入れるとき多いパターンが、ハーモンがシングルハイでマッコーティーはTEのマンツーもしくはRobberに入るパターンです。マッコーティーのマンカバーの良さと読みの良さを生かす布陣です。ハーモンもシングルハイが得意です。
NEディフェンスの持ち味
2019年のNEディフェンスの良かったところは何と言ってもパスカバーです。DB陣が軒並み大活躍しています。(LBの2人ももちろん良いです。この2人がランD、パスラッシュ、パスカバーと何でもできるおかげでNEディフェンスは安定しています。)
2019年のCBのマンカバー時のQB Ratingは次のようになっています。
Stephon Gilmore 43.8
J.C. Jackson 26.8
Jonathan Jones 108.1
Jason McCourty 35.7
2019年のSのQB Ratingは次のようになっています。
Devin McCourty 61
Duron Harmon 39.7
Patrick Chung 97.8
これを見れば一目瞭然ですが、DBの成績がずば抜けています。しかもDBはここ1年だけの好成績というわけではなく、NEのCB陣は近年安定した成績を残しています。それもマンカバーという厳しいタスクの中でです。
何と言っても、ギルモアという相手エースレシーバをカバーできる選手がいるので2番手以降のCB人の負担が大きく減っています。DPOYをCBで獲得できたことは非常にに素晴らしいです。去年から大活躍ですね。
ちなみに、これはPoints / Driveで2019年NEに次ぐ成績を残した2009年NYJにも共通しています。あのときもダレル・リービスというエースレシーバーを消せるCBがいました。さらに、NEと同じくエースパスラッシャーはおらずブリッツ多めのディフェンスでした。
また、Sにはボールホークかつ守備範囲の広いマッコーティーとハーモンというパスディフェンスに優れた選手がいます。