フラッグフットボールのメキシコオフェンスについての記事です。
前回2024年8月の国際大会では女子日本代表は見事3位でした。そんな代表の次なる国際大会が決まったみたいなので、参加国の前回大会のプレー振り返りをやりたいと思います。
(前回大会のプレーを次の大会でどこまで使うか分かりませんが…)
まずは、前回惜しくも日本が準決勝で敗れてしまった相手のメキシコです。最終的にメキシコは2位でした(世界ランク現在2位。アメリカ1位、日本3位)。
※今回の分析では、準決勝、決勝の2試合分しか見ていません。
ちなみに、日本戦のスコアは31-40でした。
Photo by: https://www.threads.net/@flag_ambassadorsmx/post/C_QxQeaxsOv/la-selecci%C3%B3n-mexicana-vence-40-31-a-jap%C3%B3n-en-semifinales-del-ifaf-world-champion
メキシコオフェンスのの特徴
メキシコオフェンスは大きく次の特徴があります。
①In/Out系のクロスを中心としたPass Concept
②ショート〜ミドル中心のPass
①In/Out系のクロスを中心としたPass Concept
インとアウトを組み合わせて、レシーバーが深さ違いでクロスするパターンを多用していました(下動画)。
次のフラッグフットボールの大会が決まったらしいので、前回大会振り返り。
— まこともや(DBアイランド) (@FitzNFL) February 5, 2025
まずは、惜しくも敗戦の相手メキシコオフェンス。
・Passの53%はIn-Out系のPass Concept(日本戦では61%)
・内、56%はStrongの#1,2 のIn-Out(動画)
・Short〜Middle中心で、Long pass成功率は13%。
詳しくはブログにする予定。 https://t.co/gJVOKQD9Nh pic.twitter.com/6woKJSMfV6
このクロスするPass Conceptを全パスの実に53%(40/76)使用していました。特に日本戦の使用率は61%で、そのパス成功率は74%です(これ以外のコンセプトのパス成功率は67%)。
シンプルながら実にカバーしづらく、マンでは付くのが厳しく、ゾーンでも簡単ではありません。そして、QBは手前/奥のどちらが空いているかよく見ています。
また、単純なイン/アウトではなく、一度フックのようにブレイクしてから横方向(アウトorイン)のルートを走るパターンもあります。
イン/アウトのルートを走るレシーバーの組み合わせは、Strong sideの#1,2が圧倒的に多く56%です。次点が#2とCで19%です。
守備側としては、このルートはZone Coverで狙いやすいのでZoneで待ち構えるのもありだと思います(後述)。
②ショート〜ミドル中心のPass
前述した通りクロスが多く、ロングバスは少ないです。さらに、パス成功率は13%(1/8)とあまり成功していません。
そのため、パスカバーとしては比較的前に比重をかけれるのではと思います。
その他
通常のパス以外の変わったプレーは少ないです。パサーは正QBになることがほとんどです。
強いて言えば、#2のランフェイクや、#1,2が近くにセットするパターンがときどきあります。
対策カバー
最後に、これらを考慮して対メキシコ用のパスカバーとしていくつか考えました。
3-1 Zone
PureなZone Coverです。ショートパスやクロスが多いのでUnderに多く配置できるカバーです。
3-1 Match(2-Read)
3-1 Zoneでは、浮いてしまうディフェンス選手がいたり、ロング系が弱いです。そのため、Match Coverとしてアメフトで有名な2-Readのフラッグ版です。若干、フラッグ用に変えています。
基本は対面のレシーバーをM/Mです。ただし、イン、アウト系のみM/M相手が変わります。
CB |
基本はM/M #1。ただし、#1のイン系は付いていかない(”Under” Callで、LBに知らせる) |
(参考)アメフトではMesではなくMod |
LB |
基本はCをM/M。 |
|
S | 縦系のレシーバーをM/M。複数レシーバーが伸びてきたらそれらのレシーバーの間に位置どる |
両#1が縦で、#2,Cがアウトなら両#1をカバーする必要があるので負けコール |
パスカバー例です。
左CBは、#2がアウトではないのでM/M #1。右CBは、#1がインなのでUnder callでLBに受け渡し一旦下がります。その後#2のアウトが見えるのでM/M。
このPass Coverは、Pass Coverで大事なLeverageを活かしたM/Mができます。ただし、奥の人数が足りてないので、前回大会のメキシコのようなロングが少ない前提です。
Cougar
アメフトで使われるMatch coverです。基本的にはM/Mです。
ただし、隣り合うディフェンス選手の2人には例外ルールを設けます。その2人がM/Mするレシーバーがインorアウトでクロスするときに、M/M対象を入れ替えます。コミュニケーションが大事になってきます。
また、基本的にショットガンでQBが距離を取っておりラッシュが届きにくいので、いっそノーラッシュを使うのもありだと思います。そのカバーはまだ考えていません。
参考
参考までに、集計した全プレーをスプレッドシートに載せます。自分用メモなので見づらいのはご了承下さい。