本日はFS マリク・フッカー(Malik Hooker)についての紹介記事です。
Photo by: https://www.colts.com/news/malik-hooker-knee-injury
特徴
彼の特徴はざっくりと次のようになっています。
長所
・ワンハイ時の広いパスカバー範囲
・QBリードが上手い
・ボールホーク
短所
・サイズのあるTEのマンカバーは苦手
・ランサポートは普通
・オープンフィールドでのランナーとの1対1で、タックルミス、オーバーパシュートをときどきやらかす
・ケガしがち(過去3年で14試合欠場)
最大のストロングポイント
彼の最大の長所は上にも書いていますが、シングルハイカバーのときの守備範囲の広さです。
シングルハイについてはこちらの記事(https://nfl-cardinals.com/singlehigh-fs)でも書いていますが、非常に難しい役割の1つで真にこなせる人材はNFLにも少ないと思っています。
この能力だけを見れば、近年ドラフト指名された選手の中ではダントツだと思っています。彼がドラフト候補選手だったときにカレッジのフィルムを見て衝撃だったのを覚えています。当時、エド・リード(Ed Reed)やアール・トーマス(Earl Thomas)にも例えられていました。
そんなワンハイでの良いプレーを1つ取り上げます。
W2 vsARI Hookerプロ初INT
— 谷村新司 (@AmLuck12) September 20, 2017
左1、右3の4レシーバーセットに対しマンカバー、Hookerはシングルハイ。
QBを見てモーションに入った瞬間に反応する速さ素晴らしい。
当該のWRを完璧にカバーしているWilson、いいインサイドラッシュしているエストニア人もグッド。 pic.twitter.com/jwpQr8Dpgq
このプレイは何と言っても、QBの手からボールが離れるまでの読みと寄せの速さが素晴らしいです。
こちらはスナップ直後のフッカーの位置です。
その後、ボールがQBの手から離れる間際が次の画像です。
ボールがまだ投げられていないのにここまでボールサイドに寄せており、さらにスピードに乗っています。
このように、フッカーは投げられるまでの読みが素晴らしいです。さらに、そのボールへ寄せていくスピードも速いです。おまけにボールスキルもあるという素晴らしい能力の持ち主です。
INDのスキーム
INDのスキームはシーズンによって異なっていますが、今は彼の持ち味を活かせるスキームではありません。(といっても1人の選手が活躍できるようにスキームを決めている訳ではないので、こればっかりはどうしようもないですが…。)
プロ入り1年目2017年は、基本的にワンハイメインのスキームでフッカーの得意なカバーを多用していました。それが2年目からはDCが変わりツーハイメインのスキームに変わりました。それでもその2年目は、ツーハイなどディープのカバーを担当することがまだ多かったです。しかし、3年目の2019年シーズンは彼がボックスに入ることも多々あり、得意な役割以外も任せられるようになりました。
実際にDADOTの値を見てみると、2年目が18.8 Yardで3年目が13.8 Yardと3年目はより前目でプレーしていることが分かります。(DADOTはAverage depth of target when targeted as a defenederのことで、ターゲットになったときのパスの深さの平均です。)
同期ライバルと成績比較
フッカーと同じ年にNFL入りしていて、似たタイプのFSにマーカス・ウィリアムス(Marcus Williams)がいるので成績を比較してみます。
過去2年(2018年2019年)の平均成績の比較です。
2人とも似たような成績で、Pro Bowlにもまだ選ばれていないということで、今後の成長が楽しみな選手達です。2人ともドラフトの時からかなり推している選手です。