DR:LAR vs GB(リーグNo.1 LARディフェンスの攻略方法 )

DR:LAR vs GB(リーグNo.1 LARディフェンスの攻略方法 )

プレーオフDivisional RoundのLAR vs GBのレビュー記事になります。

数字上リーグNo.1のLARディフェンスがGBオフェンスを全く止めれず敗戦となりました。そこで、この記事では、今まで良かったLARディフェンスがなぜやられたのかについてまとめていきます。
流れとしては、まずLARディフェンスの特徴の振り返り。その次にLARディフェンスの敗因についてです。

Photo by: https://theathletic.com/2325849/2021/01/16/nfl-live-scores-packers-rams/

LARの長所・特徴

前回の記事でまとめたように、LARの長所は次の3つです。①2-highメインのディスガイズパスカバーランストップに優れるDT陣ラムジーのカバー能力
興味のある方は前回の記事もご覧下さい。→ https://nfl-cardinals.com/rams_defense2020

それでは1つずつ見ていきます。

2-highメインのディスガイズパスカバー

これはディフェンスから仕掛けれるパスカバーです。
少し前トレンドだったCover3は、スナップ前からSSがボックスに上がるのでcover3を敷くことがおおよそバレるのは承知で、その上で守るというものでした。

しかし、この2-highのパスカバーはスナップ前の時点ではどんなパスカバーか予想するのが困難です。(スナップ前2-high→スナップ後も2-highのパターンと、スナップ前2-high→スナップ後1-highのパターンの大きく2つに派生できるため。)そこで、相手QBのカバー読み間違いを誘発したり、リードしている間にプレッシャーをかけたりすることができます

 

ランストップに優れるDT陣

DTにドナルド、ブロッカーズ、ジョセフというランストップに優れる選手を配置しています
しかし、その後ろのLB陣はいまいちです…。(LBリーダーはPFFランク29位。LBヤングは82位。)ブロックを処理してキャリアーにタックルというプレーはあまり期待できませんし、なかなか一発でランナーを仕留めることができません。実際、この試合でもLBが綺麗にRBを止めたプレーはわずか3プレーだけでした。

そのためLARディフェンスにおいて、DT陣が相手OLをコントロールすることはほぼマストになってきます。

 

CBラムジーのカバー能力

リーグでも随一のパスカバー能力を持った選手です。
ただLARはラムジーをエースWRをカバーし続ける役割は与えていません。多いのが、ゾーンカバーのときはエースWRがいるサイドにラムジーを置く(スロットにまでは付いていかない)。マンカバーのときはエースWRをカバーさせるというものです。実際、この試合でもWRアダムスをカバーしたのはアダムスが出たスナップの内53%だけでした。

 

これらを念頭において頂いて、ここからはなぜLARが点を取られ続けたのか見ていきます。

LARの誤算・敗因

LARディフェンスの敗因は、①ストロングポイントのDT陣がコントロールされたことパスカバーの穴を突くコールをされたことプランBの欠如の大きく3つです。それでは1つずつ見ていきます。

ストロングポイントのDT陣がコントロールされる

この試合では、DTがコントロールされることが他の試合より多く、ランを出されました(188yard)。
先程、説明しましたが今のLARではDT陣がコントロールされることはプランの崩壊に繋がります。Sにランサポートさせるプランではないですし、CBはLARがメインで使うcover3や4のためクッションを取っていてフォローできません。

DTがコントロールされた原因としては、①GBはOLが良いDTドナルドのケガの影響の大きく2つです。
まず、1つ目のGBはOLが良いについては、PFFの記事でもOLランキングでGBはリーグ2位に選ばれています。2つ目のドナルドの欠場については、この試合53%しか出場できず1タックルのみと全く本調子ではありませんでした。

Photo by Abbie Parr/Getty Images

GBはこのこともあってランの比重を高めました。(普段はラン比率43%に対して、この試合は50%。)

 

パスカバーの穴を突くコール

GBはLARディフェンスのスキームに合わせたコールが的確でした。私計測では、パス成功の内少なくとも半分以上はコールが当たっていました。(QBロジャースの落とし所が良いとかDBが抜かれているではなく、そのパスカバーのウィークポイントにレシーバーを送り込んで何もせずともレシーバーがフリーになっている状態。)
LARはCover4、3のゾーンカバー主体のディフェンスで、どちらのカバーにも共通して外CBの前が空きやすいです。そこで、GBは執拗にそのエリアを狙いました。そしてCBの意識を前がかりにしたタイミングで、外WRのダブルムーブのアウトアップやフックアンドゴーで裏を取りました。良いコールですね。

 

プランBがなかった

これが痛かったです。ランを出され続けて、パスはゾーンカバーのウィークポイントを狙われ続けの繰り返しで、GBは特別素晴らしいプレーをしていたわけではありませんでした。素人目にも分かるくらい何か変えなければ止められないという状況だったにも関わらず、結局最後まで何も出来ませんでした
DTがコントロールされる→LBはブロック処理できず→Sは後ろ。CBはディープ担当でDBはフォローできず楽々ランでゲイン。という状況を何度も見ました。

ステイリーはLARのDCになって1年目でここまでのディフェンスを構築したことは素晴らしかったですが、欲を言えば試合中に多少アジャストして欲しかったです。(1年目でここまで求めるのは酷ですね。)
DTとLBで止めれないなら、SやCBを上げる。NBを減らしてランサポートの上手いSを入れる。ランブリッツを入れるなど、失敗してもいいから何かトライして欲しかったですね。最後までLARオフェンスの爆発を待ち続けました。

ステイリーは来季はLACのHCに大抜擢ということで、今後もチェックしていきたいと思います。

 

まとめ

LARディフェンスがやられた理由

・ストロングポイントで頼みっきりだったDTがOLに負けがちになったこと
・LARのゾーンカバーのウィークポイントを狙い続けるGBオフェンスのコール
・やられていることに対してアジャストできなかったこと

 

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