NFLディフェンスのトレンドの移り変わり

NFLディフェンスのトレンドの移り変わり

NFLのディフェンスのトレンドの移り変わりについての記事です。

初めに2000年代前半のトレンド、次に2010年頃2015年頃、そして最後に現在2020年頃のディフェンスについて紹介します。
その中でスキームの特徴、流行りが変わった背景などについて書いていきたいと思います。

特に参考記事とかはないので、自分の主観がかなり入っていることはご了承ください。

Photo by Brad Penner-USA TODAY Sports

2000年代前半のトレンドは”Tampa 2″

Photo by: https://www.buccaneers.com/photos/best-photos-of-ring-of-honor-inductee-tony-dungy#043f0753-9399-48cf-a8ec-2b95bbb798bf

これはCover2の派生のパスカバーです。(Tampa 2についての細かい説明は色んなサイトでされているので割愛します。)

それまで流行っていたピュアなCover2には、両Sの間という明確な弱点がありましたが、Tampa 2はそのエリアをMLBが埋めることにより、Cover2の欠点を補うカバーです。そのため、両Sは中央エリアを気にする必要がなく、Cover2のもう一つの弱点のDeepのサイドライン際に集中できます。

ただ、もちろん完璧なカバーなど存在せず、Tampa2にも欠点があります。それは化け物LBを必要とすることです。MLBはスナップ前はボックスにいながら、スナップ後はディープまでカバーする必要があるので、数10Yard下がりながら後ろを警戒し、かつランプレーだと前に上がらなければなりません。そのため、S並のスピードを持ったLBでなければ真に務まりません。

また、その手薄になる中央へのランを止めれるDTも必要です。
その代わり、両Sにはそれほどパスカバー能力を求めません。

Tamp 2の重要ポジションMLBの理想的な選手

Photo by Getty/Leon Halip

これは間違いなくCHIのBrian Urlacher(ブライアン・アーラッカー)です。

彼はカレッジのときSをやっていたということもあり、LB離れしたスピードを持っています。その上でLBとして必要なパワー、タックル能力も兼ね備えている、いわば化け物です。このようにTampa 2をベースとするなら、中央へのランに対処できる手段を検討する必要があります。

次のトレンドに移ります。

 

2010年頃のトレンドは”Chaos”

Photo by: https://www.cbssports.com/nfl/news/steelers-legend-breaks-down-what-made-dick-lebeau-such-an-amazing-coach/

これまで流行っていたTampa 2やCover2には明確な弱点(シーム)があるので、そこを狙うパスコンセプトが増えてきました。そうなると、ディフェンスからすると抑えるのが厳しくなります。そこで次に出てきたのが、そもそもパスを投げささなければいいのではという考えで、QBにプレッシャーをかける、つまりオフェンスにとっての”Chaos”を作り出すトレンドです。

その手段として、Dick Lebeauを始めとしZone Blitzが流行り始めました。さらにはNYJのRex RyanがBlitz-happyなディフェンスを構築し、一時的にリーグ有数のディフェンスとなりました。

(当時のNYJのディフェンスについては下記記事参照)

2009年リーグNo. 1のNYJのディフェンス紹介

 

その後、NFLがパスハッピーなオフェンス有利の時代に突入していきます

 

2015年頃のトレンドは”Cover3″

Photo by: https://sports.yahoo.com/legion-boom-seahawks-quietly-night-213249219.html

次のトレンドはSEAのLegion of Boomを中心としたCover3です。SEAのCover3はピュアなSpot dropのゾーンカバーではなくPattern matchのCover3が多いですね。SEA以外のチームでもCover3が流行しましたが、SEAレベルの好成績を残せるチームはほぼいませんでした。

それもそのはず。SEAには、4人でプレッシャーをかけれるフロント4、パスにもランにも秀でているLB・SS、ボールホークのCB、FSとCover3に適したタレントが揃っていました。Cover3は明確なシームがあるので、ある程度タレントが揃っていないと、シームを狙われるだけになってしまいます

そのため、Cover 3のトレンドはそれほど長くは続きませんでした。

 

2020年現在のトレンドは”ツーハイ”

Photo by: https://billswire.usatoday.com/2021/09/20/buffalo-bills-jordan-poyer-micah-hyde-shutout-miami-dolphins/

Cover3などを主体とする今までのディフェンスは明確なシームが存在しており、オフェンス有利になってきたこととQBのRatingが上がってきた現代NFLのオフェンスを抑えることができませんでした。

そこで、次に出てきたのがツーハイで、スナップ前、QBにパスカバーを悟られないことでシームがどこか判断する時間を引き延ばそうとしました。(スナップ前にワンハイであれば、カバーがある程度絞られる)
そして、ディスガイズなどでディフェンス側から仕掛ける動きも増えてきました。

2020年、2021年それぞれでリーグトップの守備成績を残したLAR、BUFもツーハイメインのデイフェンスです。

詳しくは下記記事に書いています。

NFLの次のディフェンスのトレンドは?

 

まとめ

個人的に感じたこの20年弱のディフェンスのトレンドの移り変わりをまとめてみました。これが抜けている、等ありましたらコメントお願いします。

常々感じていたことですが、トレンド・流行は繰り返しながら進化していきますね。(NFLオフェンスのFB起用やファッションもしかり)
MOFOのディフェンスからMOFCが流行ったかと思えば、再びMOFOのディフェンスが流行ったりと、数十年サイクルで繰り返していきますね。

 

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