2009年リーグNo. 1のNYJのディフェンス紹介

2009年リーグNo. 1のNYJのディフェンス紹介

2009年リーグNo. 1だったNYJのディフェンスについての記事になります。

この年のNYJはシャットダウンCBリービスを擁し、歴代の中ではあまり語られることはありませんが、それまでと異なるディフェンススキームでトップの成績を残しその後のディフェンスに影響を与えました。
この記事では、NYJのディフェンスはいかに良かったのかどういったスキームだったのか、そして最後にチームの中心選手だったリービスの成績についての内容となっています。ずっと書きたかった記事なので長文になりました、すみません。

Photo by: https://nypost.com/2017/11/28/rex-ryan-on-revis-he-wont-be-the-same-but-hes-motivated/

 

リーグNo. 1だったNYJディフェンスの成績

この年2009年のNYJディフェンスがリーグトップを記録したのは以下の項目です。

失点(14.8/G)、総Yds(252.3/G)、パスYds(153.7/G)、パスTD数(0.5/G)、QB Rate(58.8)、1st down獲得数(14.8/G)、1st down更新率(31.5%)

パスに関してずば抜けています
INTを20も記録したルーキーQBサンチェスが先発でありながらこの失点数は素晴らしいです。ちなみに、ディフェンス以外のオフェンス・STが原因のTD(Pick6、KR TDなど)は7個ありそれらを除くと、失点は11.7/Gとなります。

NYJはこの年から前年BALのDCだったレックス・ライアンがHCに就任しました。前年2008年のNYJディフェンスは失点がリーグ18位、パスYdsは29位だったので、2009年ライアンが就任したことで成績が大きく伸びています。HC1年目では、歴代最少失点、最少被Ydsだそうです。

また、NYJはプレーオフにも出場しました。Conference Championshipで負けてしまいましたがSBまであと1勝と素晴らしい成績を残しました。

次はそんな好成績を残したディフェンスがどんなものであったか説明していきます。

 

NYJのスキーム

この年のNYJのディフェンスの特徴は大きく3つあります。1つ目はブリッツ多用・乱用。2つ目はマンカバー多用。3つ目はリービスのシャットダウン能力です。

ブリッツ多用・乱用

ブリッツの割合は52.4%とかなり高い数値です(単純に比べられませんが2018年最もその割合が高いチームで37%)1、2、3人と狂ったようにブリッツで人を送り込んでいました(笑)また、DBによるブリッツが多くそれも3rd down時が多いみたいで、3rd down時DBによるブリッツの割合は50.6%となっています。

↓こちらにライアンのブリッツについて画像、動画を使って説明されているので是非ご覧下さい。
http://www.nfl.com/news/story/0ap1000000213665/article/rex-ryans-new-york-jets-returning-to-blitzhappy-ways-in-2013

御覧のように、スクリメージに多くの選手を並べどこからラッシュがくるか分からないようになっています。最後尾のFSを除く11人がスクリメージに並ぶことも珍しくありません。

ただ、突出したパスラッシャーはおらずチームのサック数もリーグ18位となっています。サック数は少ないですがプレッシャーをかける割合はかなり高いと思います(データ見当たりませんでした、もし分かった方いましたら教えていただけると幸いです)。

ブリッツが多いのでTFLも多くなっています。TFLやブリッツのプレッシャーによるパスミスで3rd down & ロングを作り1st downを更新させないという方針です。

 

 

ライアンのアグレッシブなプレーコールを示すものとして、私にとって衝撃的だった次のコールをご紹介します。
状況は4Q残り2分、両チームTOはなし、6-14でリード、自陣30Yds、4th & 14ギャンブルで迎えるディフェンスでした。このときあなたがディフェンスのコールを出すならどんなコールを出しますか…?

私なら、TDさえ取られなければいい、相手はTDまで70Yds必要、4th & ロングという状況を考慮し後ろが厚いパスカバーを敷きます。例えば、Cover 2 Manなど。

 

ですが、HCライアンはそんな生ぬるいコールは出しません。なんと…

7人ラッシュのCover0です(笑)この状況でこんなアグレッシブというかばかなコールを出す人なんて彼ぐらいでしょう。しかも1st down更新されます(笑)さらにその数プレー後に懲りずに同じく7人ラッシュのCover0をコールし、今度はパスミスで試合を終わらせました(プライドがあったんでしょうね)。

また、8人ラッシュも見ました。そのプレーではドフリーのレシーバーが2人ほどいました(笑)しかし、QBはおそらく初めてであろう8人のラッシュにビビりサックされていました。

 

NYJディフェンスはこのようにブリッツハッピーなディフェンス。

マンカバー多用

またマンカバーを多用しました。下表はNYJのパスカバーの割合を示したものです。

御覧のようにほとんどのプレーでマンカバー、特にCover1を用いました。それもディスガイズなしで、スナップ前からあからさまに分かるCover1でした。リービスが相手エースWRをカバーし、S1人を最後尾に残して残りはボックスに配置されています。
リービスはエースをマンカバー、残り選手はゾーンカバーというコールもありました。

ここで先発メンバーの成績を紹介しておきます。NYJディフェンスは3-4(46 Defense)です。名前の右の()内の数値は当時のMaddenのoverallの値です。
DTポー(72)
43Tkl 3TFL 0Sck 0INT 1PD

DEショーン・エリス(86)
53Tkl 8TFL 6.5Sck 0INT 1PD

DEマーカス・ダグラス(?)
64Tkl 6TFL 1.5Sck 0INT 0PD

OLBカルビン・ペース(85)
55Tkl 13TFL 8.0Sck 0INT 1PD
チームトップのサック数を記録しました。

OLBブライアン・トーマス(77)
53Tkl 6TFL 2.0Sck 0INT 1PD

ILBダビッド・ハリス(91)
127Tkl 4TFL 5.5Sck 2INT 3PD
ブリッツが多く効果的なプレッシャーを生み出しました。

ILBバート・スコット(89)
92Tkl 12TFL 1.0Sck 0INT 1PD

CBダレル・リービス(99
54Tkl 0TFL 0Sck 6INT 31PD
詳しくは後述します。

CBリト・シェパード(77)
31Tkl 0TFL 0Sck 1INT 8PD
リービスの反対サイドで狙われることが多かったですが、Sの助けもかりながら穴になることはありませんでした。

SSジム・レナード(85)
76Tkl 9TFL 2.5Sck 1INT 5PD

FSケリー・ローズ(88)
63Tkl 2TFL 0Sck 3INT 13PD
SS、FSの区別はあまりないです。S2人ともシングルハイはそこまで上手くなく、シングルハイ時プレーにからむことは少なかったです。

 

このようにNYJディフェンスはCover1主体

リービスのシャットダウン

Photo by: https://www.sobrosnetwork.com/2017/03/01/the-jets-are-cutting-darrelle-revis-the-greatest-nickname-of-his-generation/

リービスが確実に相手エースWRを消すことができたので、DBは2番手、3番手を抑えることに注力できました。詳しくは後述します。

こういった特徴のNYJディフェンスですが、スロットレシーバーを抑えれるDBがいないというウィークポイントもありました。

 

CBダレル・リービスの成績

下表はリービスのパスディフェンスの成績です(Gamepassに2試合映像がなかったので14試合分のスタッツになります。)。

詳しい表の見方は、当ブログのこちらの記事の「表の見方」という段落をご覧ください。

主に注目していただきたいのは、赤色で塗った3つの部分です。

まず、左下の「No. 1 %の85%」ですが、これはマンカバー時エースレシーバーをカバーした割合でほぼエースをカバーしていたことが分かります。同じようなエースをカバーし続ける役割をこなしていた昨年2017年のARIのCBパトリック・ピーターソンは64%です(詳しくはこちらの記事を)。

次に、下から4行目の「Yds / Snapの0.97」ですが、これは私がずっと言っているマンカバーで最も大事なスタッツです。1を下回ればいいCBです。正直リービスはもっといい値を出すかなと思っていました。2017年のパトピーは0.81です(そうなんです、昨年のパトピーのマンカバーはかなり優れているんです)。

最後に、下から3行目の「QB Ratingの13.3」ですが、これはゾーンカバー時のQB Rateの値で抜群にいい値です。パトピーは49.5。

このように、リービスは1を下回るYds / Snapを記録しながらQB Rateもかなりいいです。すなわち相手を消しながら、投げられてもパス失敗、INTにつなげることができる完璧なCBです。これがリービスアイランドです。もっとリービスアイランドについて知りたい方はかなり気合を入れて書いたこちらの記事をご覧ください。自信作です(笑)

 

まとめ

2009年のNYJディフェンスについての記事でした。リーグトップだったNYJはブリッツハッピー、Cover1主体、エースはリービスがカバーするという特徴を持ったディフェンスでした。

ずっと書きたかった記事でして長文になってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。

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