2021年のスタッツのみを考慮したCBランキングの記事になります。
ここからは主観ではなくPro Football Referenceのスタッツから引っ張ってきた各スタッツごとのランキングになります。
Sについては下記から
スタッツを基にしたSランキング(2021シーズン)
パスカバーの良いCBとは、パスを投げさせない、パスを投げられても通さない、TDを奪われない、INTを奪える、ざっくりとこの点で評価できます。
これらの項目を定量的に評価するためには下記3項目が分かりやすいです。①Yards / Coverage Snap、②QB Rating、③INT / Coverage Snapです。
パスを投げられても通さない、TDを奪われない→①Yards / Coverage Snap、②QB Ratingで評価
INTを奪える→③INT / Coverage Snapで評価
その3指標の簡単な説明が次になります。
①Yards / Coverage Snap
これはシャットダウン能力の高さを示しています。
YardsはシンプルにそのCBが許したパスヤード数で、Coverage SnapはそのCBがプレイしていたパスプレイ数です。そのため、このYards / Coverage Snapの値が小さいほど許したパスヤードが少ない、つまり相手WRを消していたということになります。
また、TDやINTについてはこの指標では考慮されていないので、その2項目については影響しません。
Yards / Coverage Snapは1を切れば良いCBです。
②QB Rating
これはおなじみのスタッツですが、パスを投げられた時のRatingでパスを投げられた時のみ評価しています。
先ほどのYards / Coverage Snapと異なり、TDやINTは重み付けされているので、それらのスタッツに大きく引っ張られます。また、パスターゲットが多い少ないは全く影響していません。純粋に“パスを投げられた時の”評価です。
③INT / Coverage Snap
これはボールホーク能力の高さを示します。単純にINTで評価してもいいのですが、INTは絶対数なので単純にプレイ回数が多い選手の方が数字が伸びるので、同様に評価するために先ほど出てきたCoverage Snapで除しています。
INT / Coverage Snapは0.007あたりを超えてくるとINTを奪える良いCBです。普通に計算したら値が小さくて分かりづらいので、私は100 Coverage Snap辺りで計算しています(それだと目安は0.7)
それでは各スタッツのベスト5を紹介します。
①Yards / Coverage Snapランキング
1位:Rock Ya-Sin(IND→LVR)
Photo by: https://www.si.com/nfl/colts/news/colts-cornerback-rock-ya-sin-shares-inspiring-story
2020シーズンまでは、ドラフト高順位指名に見合う活躍はできていませんでしたが、2021年ようやく素晴らしい活躍をしました。
身体能力は特別優れているわけではありませんが、フィジカルが強くマンカバーが得意です。
INTが少ないのが課題ですね。
2位:Casey Hayward Jr.(LVR)
ベテランCBです。
30歳を超えて衰えも見え始めていますが、Yards / Coverage Snapは素晴らしい値を残しました。
3位:AJ Terrell(ATL)
以前、下記記事でも紹介した若手大注目のCBです。シャットダウン能力に関しては間違いなく、2021年は大活躍でした。
CB AJ Terrellの特徴・プレイスタイル
4位:Adoree’ Jackson(NYG)
身体能力が高いCBです。
5位:Jalen Mills(NE)
2021シーズンからNEに移籍し、それまでPHIでは突出した数字を残せていませんでしたが、2021年良いスタッツを残しました。
②QB Ratingランキング
1位:Rasul Douglas(GB)
Photo by: https://www.nbcsports.com/philadelphia/eagles/aaron-rodgers-cant-stop-raving-about-former-eagles-cb-rasul-douglas
5INTを奪いQB Rating、INT/Coverage Snap共にいい値を残しました。さらにYards/Coverage Snapも1を下回っています。
2位:J.C. Jackson(NE→LAC)
ボールホークCBとしてここ数シーズン安定して好成績を残しています。
3位:Jamel Dean(TB)
ねちっこいDPIスレスレのプレスカバレッジが持ち味のCBです。
Yards/Coverage Snapもいい数字で、この成績を2022年も残せれば知名度も上がってくると思います。
4位:Trevon Diggs(DAL)
評価について大きく議論になった選手ですね。数字で見てもINTが多くそれに伴いQB Ratingがいい値です。
一方でYards/Coverage SnapはAll-Proとはさすがに言えないような数字ですね。パスキャッチも許すけどINTも奪うというギャンブルCBですね。
5位:Tre’Davious White(BUF)
数年前からYards/Coverage Snap、QB Rating共にいい数字を残し続けているリーグトップクラスのCBです。
③INT / Coverage Snapランキング
1位:Trevon Diggs(DAL)
Photo by Getty/Cooper Neill
ここからベスト3まではQB Ratingと同じ顔ぶれが並びます。QB RatingがいかにINTに影響されるか分かりますね。
しかし、彼のボールを奪う力は数字で見てもダントツですね。読みと、ボールへ一直線にアクセスする一瞬のスピードは流石です。
2位:J.C. Jackson(NE→LAC)
個人的な印象ですが、INTを奪いにくいマンカバーでINTするのが彼は上手いです。ボールを見づらいマンカバーでもよくボールを見れている証拠です。
3位:Rasul Douglas(GB)
4位:Amani Oruwariye(DET)
6INTを残しました。
5位:Isaiah Rodgers(IND)
17試合全出場ですが、先発出場は1試合のみでした。INTは3つのみですがSnap数が少ないためランクインです。
まとめ
最後に詳細なデータは下記からアクセスできます。
今回は主観に左右されないスタッツからランキングを作ってみました。CBの評価はなかなか難しいので、こういったランキングも面白いと思います。
私はスタッツにかなりの信頼を置いていますが、一方で次のような問題があることも忘れてはいけません。
・スキームに左右される
→チームのスキームによってスタッツは大きく変わります。例えば、Cover 2 ManなどCBの負担が少ないカバーが多ければスタッツもよくなります。
・反則は考慮されない
→当然ですが、反則はスタッツに残らないのでいくらDPIをコールされていてもそれは分かりません。
こういった問題もスタッツにはあるので、スタッツと主観的な評価どちらにも寄りすぎないのが大事だと思います。
そのため、スタッツを使っていない評価、スタッツを信用しすぎている評価どちらにも問題がると思います…